大判例

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名古屋地方裁判所 昭和40年(ワ)661号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕そこで、右事故につき被告会社の責任を考察する。

<証拠>を総合すると

(一) 被告会社は、肩書地に本店を有し電気工事の請負を目的とする株式会社であるが、愛知県知多郡横須賀町太田字川島にも名古屋作業所を設置し、責任者佐藤好男の指揮監督下に運転手二名を含めた被告会社の従業員を配置し、同方面における電気外線工事に当らしめていたこと

(二) 被告中山は、昭和三八年七月頃被告会社に電気工夫として雇われ、前記場所に所在する被告会社名古屋作業所に労務員宿舎に宿泊していたこと

(三) 右宿舎の階下には、同作業所の運転手二名が、二階には被告中山を含めたその余の従業員らが居住しており、自動車の鍵は階下事務所の柱に掛けてあり、自動車は、夜間においては施錠なき車庫に格納されていたこと

(四) 被告中山は、事故当日午後五時過頃仕事を終り、午後七時前頃から右宿舎の食堂で、同僚及び右運転者ら合計五名(この中には、被告会社が右作業所の副監督であり且つ自動車の鍵保管の責任者と主張する訴外鈴木昌栄も入つていると窺われる)と、前叙の如く飲酒し、酔余、加害車の鍵を持ち出して車庫に到り、被告会社所有の加害車<編註、普通四輪貨物自動車である>に乗車して遂に本件事故を惹起したものであること

(五) 被告中山は、無免許ではあるが、従来二、三回作業現場で加害車などを運転したこともあつたこと

を認定し得べく、<反証排斥>、他にこれを覆すに足る証拠はない。

以上の認定事実と、本件口頭弁論の全趣旨を彼此対比して考察するに、被告会社名古屋作業所の現実の業務は、加害車の運行に依存関連していることが多いこと、同作業所には自動車運転手は二名専属しているとはいえ、会社の業務及び従業員の労務内容からして、その他の従業員としても加害車との密着度は決して稀薄ではないこと、被告中山等一般従業員及び運転手の多くは、右作業所内の宿舎に常時起居していたものであること、加害車の鍵は時間外においては従業員ならば何人でも自由に持ち出せるような状態において保管され(この点に反する被告の証拠は措信できない)、かつ、加害車の格納管理も不行届であつたことは否定し得ないところと認められる。

本件における加害車運行の実質的関係が、叙上の如き状態である以上、被告会社は、被告中山のした加害車の運行につき客観的支配関係を有したものと認めるを相当とし、したがつて、自賠法第三条による責任を免れ得ぬものと解すべきである。 (山口正夫 可知鴻平 寺本栄一)

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